僕の騎乗した外国産馬の思い出

僕は初めて重賞を勝たせていただいた馬がルックスザットキルという馬でした。

2才の調教の時から大人しく、追い切りではGOサインを出せば2才でも出ないような破格の時計を出すことができました。そのオンとオフのメリハリもなかなか2才では見たことも乗せてもらう機会も少なかったのでその衝撃を直に感じていました。

そうなると、やっぱりデビュー前の追い切りから目立ってしまうので関係者だけでは無く、期待はライターから新聞記者、他厩舎の方、そして、海を超えたアメリカでの方々も期待していたと記憶してます。

いざ、レースが始まったら言わんこともなく持ったままの1着でした。物が違うと思った僕は負けるまでは全レース通過点という気持ちで故障だけさせないように調教してきたつもりでした。

そんなに強い馬に乗っていても実際には色んな課題や枠運、そしてメンバーなどをチェックして、関係者や馬主さんと作戦会議をするのが僕の中の楽しみの一つでした!

実際にアメリカのセリには何度か行かせてもらい、実物を生で見た感想は、日本では2才の段階でここまでなかなか仕上げられないぞ?というような立派なダート向きのような若馬たちばかりでした。

それでいて追い切りを1頭1頭見ましたが、みんな走り方はそれぞれ違いましたがみんな時計が早い!
若い頃からタイトルを取れるだろうなと思う馬もいれば、トモが緩いから3才になったらもっと良くなるだろうというが自然と頭の中で思い浮かぶようになりました。

今になると良い財産です!

これからは、外車の馬が長距離のレースや3才クラシックなどで活躍する姿が見たいです。そして、しなくてはいけないとも思っています。

是非皆様の参考になればと思いました。
よろしくお願いします。

by 早田功駿

早田功駿 Koshun Hayata


1990年1月9日東京都生まれの30歳。父はオリオンザサンクスとのコンビで99年東京ダービーなどを勝った名手・早田秀治騎手。2007年にデビューすると、同年5月23日に初勝利。2015年に優駿スプリントをルックスザットキルとのコンビで逃げ切り重賞初制覇。同馬の23戦全てに騎乗し重賞3勝を挙げる。

毎開催のように穴を開けるなど、確かな騎乗技術は関係者の信頼も厚い。アメリカ産馬のスピードを肌で感じ、アメリカ産馬と共に夢を叶えた一人。