トラヴァーズサラブレッドクラブ挨拶

 1964年以来の東京におけるオリンピックの開催を筆頭に、希望に満ち溢れるはずであった2020年。
新型コロナウイルスという、たったウイルスひとつの発生により、地球全体が対応を余儀なくされ、世界経済は低迷、直接的・間接的に多くの犠牲を払わねばならなくなってしまいました。

 全世界規模で混乱が続く中、競馬産業も例外ではなく、多くの国で競馬開催中止を余儀なくされ、私が住むアメリカ合衆国においても、主要競馬場の全てにおいて、競馬開催を中止。再開後、ようやく軌道に乗ってきたものの、無観客開催は絶対条件。競馬界としての損失は多大なものがあります。
そんな中、ほぼ止めることなく続けてこられた日本競馬界及び関係者の皆様に対し、私は頭が下がる思いで見つめております。

 この度、業界内外に広く希望の光を与えたいという意思に、多くの皆様からのご支持、またご協力を得て、南関東競馬場向けのオーナーズ、トラヴァーズサラブレッドを始動することになりました。
当オーナーズの特徴は、全募集馬が外国産の、可能性に満ち満ちた馬たちであるという点です。過去、タイキシャトルやシーキングザパール等、圧倒的な強さを誇ったマル外旋風が吹き荒れた、90年代。その後、内国産馬が台頭をし始める中、無類の強さを誇った年度代表馬・シンボリクリスエス、米国が誇る名種牡馬・Tapitの血を日本に知らしめたテスタマッタ、短距離路線で旋風を巻き起こしたスーニ、ルックスザットキル、直近ではジャパンダートダービーを圧勝したダノンファラオも。それぞれ、個性が際立つ、アメリカ産の優秀なサラブレッドです。

 キーンランドやファシグティプトン等の一流馬が集うセールや競馬場にて、多くの一流ホースマンとともに競走馬の選定に関わった経験、また国内外に築いてきたネットワークを活かし、限られた予算の中ではありましたが、今回募集をさせて頂くのに恥ずかしくない馬を集めることができたと思います。
 無論、競走馬そのものが良質でなければ論外ではありますが、馬体や動きの良さはもちろんのこと、会員・競馬ファンの皆様に、長く愛して頂けそうな馬、またワクワク感のある「父が日本国内で産駒未出走」の競走馬も、選定のクライテリアに入れました。

馬作りは夢作り。

 経済的な負担が夢を追う足枷とならないよう、またそれぞれの特徴に合った馬作りを行ない、馬を大事にしてくれる調教師が多く揃う、南関東の競馬場を舞台に選びました。
 大井競馬場は、米・サンタアニタ競馬場と長く交流を結び、近年では川崎競馬場で行われる全日本2歳優駿がJapan Road to Kentucky Derbyのレースに選定される等、南関東と米国競馬は、その結びつきが強くなってきています。
 当オーナーズの発足により、オーナー様・競馬関係者・ファンの皆様が、大きな夢と希望を持つ一助となれば、これ以上の喜びと「存在価値」はないものと考えております。

沼本光生