美しきサラブレッドと共に…

競馬の魅力を突き詰めると、そこにはサラブレッドの持つ美しさがあるのではないでしょうか。日々の鍛錬により鍛え上げられた筋骨隆々のアスリートたちが、ジョッキーと呼吸を合わせ、コンマ1秒を争う…究極のスポーツの1つと言っても過言ではないでしょう。

世界の競馬をリードする大国・アメリカは、末脚勝負になりやすいヨーロッパと違って、スタートからひたすらスピードを競い合い、ついていけなくなった馬から脱落していくという文化が成立しています。まさに”自らの限界に挑戦するスタイル”。

限界に挑戦する歴史を繰り返し続けてきた結果、アメリカのサラブレッドは独自の進化を遂げてきました。発達した前腕、丸太のような太い腰、はち切れそうな後ろ脚。筋肉の鎧を身に纏った、まるで”彫刻のような体”の競走馬たちが砂を巻き上がらせて躍動するのです。世界各国で生産されるサラブレッド。その中でもアメリカ産馬は独特の美しさを秘めています。

今回募集される優駿たちは将来、大井競馬場など南関東競馬を中心に競走生活を送ることになるでしょう。中央競馬にはない、ナイター競馬で頂点を目指した戦いが始まります。

想像してみてください。アメリカで生まれた筋骨隆々の愛馬が、カクテルライトに照らされた砂上を疾走していく姿を。想像してみてください。自慢のスピードでライバルたちを封じた愛馬と、レース後表彰式で横に並ぶご自身の姿を。

美しきアメリカ生まれのサラブレッドたちとの新しい物語が、今、南関東競馬を舞台に始まります。

by 競馬ライター:佐藤ワタル