何をやるのか、誰とやるのか

2016年3月。この年のドバイワールドカップデーには、日本から10頭が参戦していました。まだ明るいメイダン競馬場でUAEダービーを勝ったのは、武豊騎手が手綱を取ったタピット産駒のラニ。

表彰式の後の囲み会見で、前田幸治オーナーは「数日のうちに、ラニをケンタッキーへ送ります」と、ケンタッキーダービー参戦を表明しました。

アメリカ産馬のラニが、日本からドバイへ遠征、そこで勝利をし「次」へ向かう。日本の競馬の新たな流れが生まれた瞬間を見届けた思いでした。

この前田オーナーの言葉を私たちが聞いた瞬間から、ドバイからケンタッキーへ向かうラニを受け入れるため、現トラヴァーズ・サラブレッドクラブの沼本さんの奔走が始まったと、後で伺いました。彼の行動力、判断力、そして経験に基づいたスピード感が、その後のラニのアメリカでの連戦の影の支えとなっていたことと思います。

2020年に起こった世界的な出来事で、私たちのいろいろなモノの価値観、時間の使い方が変わりました。

今ある事、これからの事を考えた時に、「何をやるのか」「誰とやるのか」この選択によって、目の前に広がる世界の見え方も変わります。

2021年、競馬の新たな分野で楽しんでいる自分をイメージできる場所を一つ、人生に、生活に加えてみる。

では「誰とやるか」。

今まで知らなかった、見えなかった世界を見るチャンスがある場所の一つは、ここにあります。

by フリーアナウンサー:原山実子